システム保守運用費が高い理由と削減方法

新しい取り組みに予算を回したいのに、IT予算のほとんどが既存システムの維持で消えてしまう。多くの情報システム部門が直面しているこの状況は、技術的負債と呼ばれる構造的な問題です。本ページでは、保守運用費が膨らむ仕組みを整理したうえで、実際に削減へつなげるための手順を解説します。

IT予算の8割が「維持」に消える構造

経済産業省のDXレポートは、日本企業のIT関連費用の約80%が現行ビジネスの維持・運営(ラン・ザ・ビジネス)に充てられており、新たな付加価値を生むIT投資に資金と人材を振り向けられていないと指摘しています。さらに技術的負債が解消されない場合、維持管理費がIT予算の9割以上を占める状態に至る可能性も示されています。

同レポートは、レガシーシステムの刷新が進まなければ2025年以降に最大で年間12兆円規模の経済損失が生じうるとする、いわゆる「2025年の崖」のシナリオでも知られています。

参照元:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/20180907_03.pdf

保守運用費が上がり続ける4つの要因

1. 改修の積み重ねによる複雑化・ブラックボックス化

長年の追加開発とパッチ適用により、システムの全体像を把握できる人がいなくなります。1行の修正に必要な影響調査の工数が年々増えるため、同じ規模の改修でも費用が上昇します。

2. 対応できる技術者の希少化

古い言語やミドルウェアを扱える技術者は減少しており、希少性がそのまま単価に反映されます。担当者の退職リスクも高く、引き継ぎのための追加コストが発生します。

3. 属人化した運用手順

手順書が整備されず、特定の担当者の経験に依存した運用になっていると、外部委託への切り替えも内製化も進みません。結果として現行ベンダー以外に選択肢がない状態が固定化します。

4. 使われていない機能・ライセンスの温存

利用実態のない機能やライセンスが保守対象に含まれたまま更新され続けているケースは珍しくありません。棚卸しをすると、削減余地が見つかることがよくあります。

保守運用費を下げる4つのステップ

ステップ1:保守対象の棚卸しと可視化

まず、保守費の内訳を「システム単位」ではなく「機能単位・作業単位」で分解します。監視、障害対応、定期作業、問い合わせ対応、法改正対応、機能改修——それぞれに年間どれだけ費用がかかっているかを出すと、削減対象が特定できます。可視化されていないコストは削減できません

ステップ2:残す・止める・作り替えるの3分類

棚卸し結果をもとに、機能を3つに分類します。利用実態のない機能は停止、業務差別化に寄与しない機能はSaaS等への置き換え、競争力に直結する機能のみ作り替えの対象とします。すべてを一度に刷新しようとすると投資判断が下りないため、範囲を絞ることが実行の鍵です。

ステップ3:段階的なモダナイゼーション

全面刷新ではなく、API化による疎結合化、クラウド移行、データ連携基盤の整備といった段階的なアプローチを取ります。移行の各段階で保守費が下がることを確認しながら進めると、次の投資判断が通りやすくなります。

ステップ4:定型的な保守運用の外部移管

監視、一次対応、定期作業、回帰テストなど、手順化できる業務は外部へ移管できます。国内より単価の低いオフショア拠点へ移すことで、浮いた予算を刷新やDXに振り向けることが可能になります。インドの開発会社には24時間365日の監視体制を提供する企業もあり、時差を活かした夜間対応を組み込める点も評価されています。

保守運用の体制別コスト比較

体制 コスト水準 ナレッジの所在 夜間・休日対応 留意点
内製 高(人件費固定) 自社 当番制で負荷大 採用難・属人化リスク
現行ベンダー継続 高〜中 ベンダー 契約次第で追加費用 他社比較ができず値下げ交渉が困難
国内他ベンダーへ切替 新ベンダー 契約次第 引き継ぎ期間の二重コストが発生
オフショア移管 低〜中 専属チームに蓄積 時差を活かして組みやすい ドキュメント整備と権限管理が前提

オフショアへ保守を移管する際の進め方

セキュリティ面の考え方についてはオフショア開発のセキュリティリスクと対策もあわせてご確認ください。

まとめ

保守運用費が高いのは、複雑化・属人化・技術者の希少化という技術的負債の帰結です。削減の順序は、棚卸しによる可視化 → 機能の取捨選択 → 段階的な刷新 → 定型業務の外部移管。この順番を飛ばして単価交渉だけを行っても、構造は変わりません。

定型的な保守運用をオフショアへ移管し、浮いた予算と人員を刷新やDXに振り向ける進め方は、多くの企業にとって現実的な打開策です。一方で、目的が「保守費の圧縮」なのか「レガシー刷新の実装力確保」なのか「DX戦略そのものの立案」なのかによって、選ぶべきパートナーの特性は異なります。

このサイトでは、3つの主要な「目的」に合わせて厳選したインドの開発会社を紹介しています。自社が解決したい課題に最適なパートナーを、こちらから確認してみてください。

【目的から選ぶ】
インドのオフショア開発会社
おすすめ3選

市場開拓・人材獲得から、Sler代替・高度実装、経営課題ごとのDX推進——オフショア開発の目的は企業ごとに違います。 ここでは自社の目的に合う支援会社を選ぶことで、最短ルートで自社にあったパートナーに辿り着ける「目的別」インドのオフショア開発会社おすすめ3選をご紹介します。

ZenNxt Labs(Zenken)Innovature TechnologiesJP東京・アンド・カンパニー
得られる価値インド高度IT人材の採用・体制化技術と質/SIer代替・高度実装戦略と実装の一貫支援
キーワードタレントプール・採用支援・即戦力AI・DX・GX・マルチクラウドPMO・DX・経営コンサル
ターゲットCTO・技術責任者・採用担当CTO・開発部長情シス・DX推進・経営企画
強み元CTOによる技術スクリーニングISO 27001取得・500名超エンジニア・15年超の実績コンサル×IT開発の一体型・Microsoft CoE・バイリンガルPMO
推奨シーンインド人材を自社チームに組み込みたい企業DX推進・AI実装・クラウド移行案件DX戦略策定から実装まで一社に任せたい企業
事業拡大を目指す
CTO・技術責任者・採用担当向け

ZenNxt Labs(運営:Zenken株式会社)

引用元:zennxtlabs公式HP
https://www.zennxtlabs.jp/
「市場と人材」インド高度IT人材を、自社チームに。
強み
  • 国内採用では母集団がほぼ存在しないAI・フルスタック・セキュリティ・データ領域の上位エンジニアに、独自のタレントプールを通じてアクセス可能。インド現地法人に常駐する元CTOが技術力・適正を一次評価するため、面接工数を抑えながら精度の高いマッチングを実現。
人材・体制
  • 年間約255万人のSTEM卒業生を輩出するインド市場から厳選。IIT・NIT出身者を含む精鋭タレントプールを保有し、生成AIエンジニア・クラウドセキュリティアーキテクト・SRE・データMLエンジニアなど職種別に候補を提案。日本人担当者(現地法人代表田中氏)が要件定義から稼働後の立ち上げまで一貫して伴走する。
プラン
  • Starter(3~5名)
  • Expansion(5名以上)
  • Support(体制構築伴走)

業務委託型でスモールスタートでき、実績を積みながら段階的に体制を拡大できる設計。最短2週間で初回提案、稼働開始まで最短2ヶ月を目安とする。

推奨シーン
  • 国内エージェントに頼っても欲しい人材が来ない。
  • AI・データ・セキュリティ領域で即戦力が必要。
  • インドに拠点を設けたいが直接雇用リスクは最小化したい。
  • 新規プロダクト開発チームを早期に組成したい企業。
品質・技術重視の
CTO・開発部長向け

Innovature Technologies

引用元:Innovature Technologies公式HP
https://innovaturetech.com/
「技術と質」SIer代替・高度実装するなら。
強み
  • ISO27001認証取得のセキュリティ管理体制と、15年超の実績・500名超のテクノロジーコンサルタントによる高品質な開発力が特長。AI・DX・GX(グリーントランスフォーメーション)・クラウドなどの先端領域を一社でカバーし、1,000件(※1)超のプロジェクト納品実績を持つ。
人材・体制
  • インドを主要開発拠点に、日本・米国・シンガポール・カナダ・ヨーロッパにオフィスを展開するグローバル体制。南インドを中心とした高水準の教育機関出身のフルスタックエンジニアが在籍し、AWS・Azure・GCPのマルチクラウドに対応。日本拠点(東京)から日本語でのプロジェクト管理が可能。
主なサービス領域
  • AIサービス
  • DXサービス
  • GXサービス
  • Webアプリ開発
  • モバイルアプリ開発
  • クラウド
  • DevOps
  • 品質保証
  • IoT
  • Salesforce
  • XR/AR/VR
  • 24時間監視
推奨シーン
  • DX推進・AI実装・クラウド移行など技術難度の高い案件を安心して任せたい。
  • 国内Slerからの切り替えや、品質保証体制を重視する開発部門。
  • IoT・機械学習・ブロックチェーンなど先端技術の実装が必要な企業。

※1 参照元:Innovature Technologies公式HP https://innovaturetech.com/ 2026年6月調査時点

DX推進を目指す
情報システム部門・DX推進部門・経営企画向け

JP東京・アンド・カンパニー

引用元:JP東京・アンド・カンパニー公式HP
https://jptokyo.co.jp/jp/
「戦略と実装」経営課題ごとDX推進を任せるなら。
強み
  • 大手コンサルファームや日本有数の大企業での実務・経営経験を持つバイリンガルチームが、経営コンサルティングからIT開発・PMOまで一体で提供。「誰に何を頼めばいいのかわからない複合課題」に対して、戦略立案から実装・運用保守まで一社でカバーする体制が強み。インド(グルガオン)・米国(サンフランシスコ)・フィンランドにも拠点を持つ。
人材・体制
  • 日本(東京・赤坂)拠点のバイリンガルコンサルタントが窓口となり、インド開発拠点と連携するハイブリッド体制。品質管理・プロジェクト管理は国内完結で、文化・言語の壁を感じさせない進め方が可能。総合電機メーカー・建材メーカー・医療機器・電子決済など日本の製造業・大手企業との実績が豊富。
主なサービス領域
  • 経営コンサルティング
  • IT・製品開発
  • PMOサービス
  • Microsoft 365
  • Power Platform
  • Azure
  • Dynamic 365
  • ERP導入
  • DX戦略ロードマップ
  • AI/ML開発
  • 海外市場参入支援
推奨シーン
  • DX戦略の立案と実行を同一パートナーに委ねたい。
  • Microsoft環境の整備・基幹システム移行・ERP導入を伴うプロジェクト。
  • 製造業・建材・医療・エネルギー分野での実績を重視。
  • 複数の課題を一社にまとめて相談したい経営企画・情報システム部門。