オフショア開発の品質は低いか？

オフショア開発とは、日本国内よりも人件費や開発コストの低い海外企業に、システムの開発・構築・運用・保守などを委託する手法です。コストを抑えられる反面、品質面に懸念を抱くこともあります。そこで本ページでは、オフショア開発で品質が低下してしまう原因と、改善策について解説します。

オフショア開発の品質が低くなる理由

認識のズレや勘違い

オフショア開発では、国内企業への委託とは異なり、言語や文化の違いによる意思疎通の難しさが課題となることがあります。その結果、依頼内容が正確に伝わらず、意図と異なる形で理解されるといったトラブルが発生することがあります。

特に専門用語に関しては、認識のズレや誤解が生じやすい傾向があります。こうしたミスが重なると、結果として品質の低下につながるおそれがあります。

管理体制の不備

日本国内には厳格な品質管理体制を導入している企業が多い一方で、オフショア開発先に同水準の体制が整っているとは限りません。管理体制が十分でない場合、テスト工程で検出されるべき不具合が残るリスクがあります。

日本では、テスト工程で細部の操作性まで評価するケースが一般的です。一方で、海外の委託先によっては機能面を中心に確認するため、意図した品質基準を満たさない恐れがあります。

オフショア開発の品質を上げる方法

ブリッジSEを配置する

オフショア開発において、認識のズレを最小限に抑える役割を担うのがブリッジSE（ブリッジエンジニア）と呼ばれる専門人材です。企業間の橋渡し役として、プロジェクトの進行管理や品質確認を行います。

ブリッジSEは単なる通訳ではなく、文化的背景や開発手法に関する専門知識を備え、プロジェクトを円滑に進める役割を担います。適切なブリッジSEを配置することで、オフショア開発の品質向上を図りやすくなります。

ブリッジSEの詳細については、以下のページで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

仕様書はできる限り詳細に作成する

オフショア開発で発生しやすいミスの一つに、説明不足による認識の食い違いがあります。日本と海外ではビジネス慣習や開発プロセスの考え方が異なるため、仕様書には詳細まで明記しておくことが必要です。

具体的な数値や操作条件を明記し、曖昧な表現を避けることで、より明確で共有しやすい仕様書になります。

品質管理体制を強化する

品質管理体制を強化することで、オフショア開発の品質向上を目指せます。たとえば、基準を統一したうえで定期的にテストを実施し、担当者と継続的にコミュニケーションを取ることが有効です。レビューの頻度を高めるだけでも、品質の安定につながる場合があります。

オフショア開発の品質を上げる方法を検討しよう

オフショア開発の品質は、依頼先の国よりも企業の適切な管理体制やコミュニケーション体制によって影響します。インドには技術力の高い人材が多く、開発体制を整えることで安定した品質を確保しやすくなります。ブリッジSEの配置など、適切な管理体制を整えることが重要です。

以下のページでは、インドのオフショア開発を成功させるために押さえておきたいポイントを解説しているので、こちらもご覧ください。